〔書評〕読書日記　中年としての時間　大切に、と思える一冊＝美村里江
エコノミスト　第９９巻　第３６号　通巻４７１６号　2021.10.5

×月×日　６月の誕生日に歳を聞かれ、数人へ「38」と答えてしまったが、本当は37歳だ。新年に年齢を自覚するせいか、カウントが前のめりなのは子供時代からである。　さて40代も間近。もうおばさんだと自分で思っても、周囲が妙に気を使う過渡期らしい。あと数年は仕方ないかなと思っている時に出会った『我は、おばさん』（岡田育著、集英社、１７６０円）。元編集者の著者による、多岐にわたるおばさん論。　引用資料とし…