〔書評〕『貨幣の「新」世界史　ハンムラビ法典からビットコインまで』　評者・上川孝夫
エコノミスト　第９４巻　第２５号　通巻４４５４号　2016.6.14

　◇カビール・セガール著（米電子決済サービス企業の企業戦略担当）　小坂恵理訳　早川書房　2100円　◇世界を動かすお金の正体　多元的にあぶり出す　著者は大手金融機関に勤務していた２００８年、リーマン・ショックに遭遇する。しかし、いまだその全容を把握しきれておらず、長年抱いてきた疑問を解き明かしたくなったという。それは、お金には人間を不合理な行動に駆り立ててしまう何かがある。お金の何が世界を動かして…