〔エコノミストリポート〕米国　難航する米最高裁人事　オバマ大統領と共和党が対立　政治が司法妨げ三権分立の危機も＝中岡望
エコノミスト　第９４巻　第１２号　通巻４４４１号　2016.3.22

　米国で最も影響力の強い決定機関の一つ、米最高裁判所のアントニン・スカリア判事が２月13日に急逝した。その後任選びで、判事の指名権を持つオバマ大統領および民主党と、野党共和党との間で論争が起きている。民主・共和両党は、それぞれが支持するリベラル派、保守派から判事を出すことを望んでおり、駆け引きが熾烈(しれつ)化。次期大統領選も本格化し、各候補者も最高裁人事を争点にし始めた。しかし、後任選びが長引く…