〔グローバルマネー〕負の遺産残したＦＲＢの「非伝統的」政策
エコノミスト　第９４巻　第１号　通巻４４３０号　2016.1.5

　米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）が、ついに利上げに踏み切った。事実上のゼロ金利が続いた中で、国債などの資産を大量に購入してきたＦＲＢの「非伝統的」な金融政策を総括すれば、当初は市中に出回る資金の量を増やす「量的緩和」より、金融の目詰まりを防ぐ「信用緩和」に重きを置いていた。この信用緩和政策は、金融政策というよりは、一時的な資金不足に陥った金融機関に中央銀行が資金を供給する「最後の貸手政策」（ＬＬＲ…