〔特集〕インドびっくり経済　立ちはだかる「壁」　法　難しい従業員の解雇＝琴浦諒
エコノミスト　第９３巻　第４３号　通巻４４２０号　2015.10.27

　日本企業の大半が苦しむ問題が、インド人従業員の解雇だ。日本にない独自の労働者区分がインドには存在し、それが解雇を難しくしている。　インドの労働法は、労働者を「ワークマン」と「ノンワークマン」の二つに区分しており、それぞれ保護の範囲、程度が異なる。　ワークマンは、工場労働者や運転手など、比較的低賃金で単純業務を行う者だ。使用者よりも弱い立場のため法による保護が強く、解雇にも制限がある。一方、ノンワ…