〔特集〕世界経済２０１５　第１部・米国１強の危うさ　欧米の対露制裁が招くドル基軸体制のほころび＝望月喜市
エコノミスト　第９３巻　第１号　通巻４３７８号　2015.1.6

　ウクライナ紛争は、2014年9月の停戦後も戦闘が続いていたが、12月9日に再停戦で合意した。ロシアからウクライナへのガス供給も代金前払いで再開される見通しだ。しかし、対露経済制裁は依然続いている。制裁でロシアが受けたダメージは大きく、経済は苦境に陥っているが、一方で金融とエネルギー分野への締め付けを強めることが、結果的にドルの基軸通貨体制にほころびを生じさせる可能性がある。　金融分野の制裁では、…