〔サイエンス最前線〕／１６　今年のノーベル医学生理学賞　「私はどこにいるの？」の解明に貢献＝永雄総一／青木田鶴
エコノミスト　第９２巻　第４７号　通巻４３６９号　2014.11.4

　部屋の中を歩いて移動する時に、家具や窓の見え方が変化することから自分が部屋の中のどこにいるかおのずと分かる。これは脳の「空間認知」の技によるものである。今年のノーベル医学生理学賞は、大脳側頭葉の海馬で「場所細胞」と呼ばれる神経細胞を１９７１年に発見したジョン・オキーフ英ロンドン大教授と、海馬の近くに、「格子（グリッド）細胞」と呼ばれる神経細胞を05年に発見したノルウェー科学技術大のエドバルト・モ…