〔景気観測〕消費増税前から家計サービス支出下向き　「悪い物価上昇」が追い打ち掛ける恐れ＝上野泰也
エコノミスト　第９２巻　第２８号　通巻４３５０号　2014.6.24

　今年１〜３月期の実質ＧＤＰ（国内総生産）が1次速報で前期比年率＋６・７％という強い数字になった主因は、消費税率引き上げ前の駆け込み需要を原動力とする民間最終消費支出（個人消費）の急増である。だが、４月以降は値段が高いものを中心に、そうした特需の反動が出ている。さらに、いわゆる「悪い物価上昇」に、消費増税分の価格転嫁が加わったため、実質ベースで見た家計の可処分所得は４月から一段と押し下げられた。４…