〔書評〕読書日記　ささやかな日常こそ意味ある人生の調味料＝和合亮一
エコノミスト　第９２巻　第３号　通巻４３２５号　2014.1.21

　×月×日　新しい１年が始まった。五木寛之の『退屈のすすめ』（ＫＡＤＯＫＡＷＡ、１３６５円）を購入。家の中も外も、年始のあれこれに追われている。全く退屈ではない。だからなのだろうか、ぱっと手が伸びた。帯の一文。「楽しくなくては生きていけない。退屈がなければ生きていく価値がない」。うむ。達人から学ぶことにしよう。「何とでも遊ぶ、この気持ちに徹すること」「そのことに実は私たちの人生がかかっている」と語…