〔アートな時間〕舞台　冬眠する熊に添い寝してごらん　蜷川幸雄が燃えた古川日出男の“挑戦状”＝高橋豊
エコノミスト　第９２巻　第１号　通巻４３２３号　2014.1.7

　２０１３年、現代演劇界で最も精力的に活躍した演劇人は、78歳の演出家、蜷川(にながわ)幸雄だった。　年間９本の演出作品で、私の選ぶベストは「鴉(からす)よ、おれたちは弾丸をこめる」だ。１９７１年、蜷川と名タッグを組んだ清水邦夫の作品で、裁判所を老女たちが占拠するという衝撃力のある舞台だった。ただ、初演時は老女を若い女優たちが演じるしかなかった。42年後、さいたまゴールド・シアターの高齢の俳優たち…