〔本〕文学・思想書を読む−−他
エコノミスト　第７９巻　第３４号　通巻３５１９号　2001.8.7

本文学・思想書を読む　長谷川　　宏木遣り唄はどこへ−−森の仕事と、森で働く人びと　北海道の田舎町で一人の老人に会う。老人は若いころ樺太（現サハリン）で木材運搬の仕事をしていた。話の途中で、老人は作業場で歌う「木遣り唄」を歌う。「もう、いまは誰も唄わないんだけどな」といって。　「老人の低い声はまるで地の底から聞こえてくるかのような響きをもっていた。旋律は起伏に富み、力強さをもち、作業の情景を見事に甦…