〔文学・思想書を読む〕生きることと詩を書くこと−−他
エコノミスト　第７８巻　第５０号　通巻３４８０号　2000.11.28

文学・思想書を読む生きることと詩を書くことのあいだ長谷川　宏（哲学者）　厚さ一〇センチはあろうかという、ずっしりと重たい本だ。『田村隆一全詩集』（思潮社）。　が、中身は重たくない。ことばたちが実に楽しげに踊っている。そして、そのむこうに詩人の軽快な足どりが見える。時節柄、秋にちなんだ一節。　　どうして　　秋になると人間は　　人間に逢いたくなるのだろう　　夏の生物たちの喊声が消えさると　　人は　　人…