読書　ブティック　音楽　モーツァルト３つの顔
週刊ダイヤモンド　2002.9.7号　2002.9.7

読書　ブティック　音楽　モーツァルト３つの顔文芸評論家●能本功生　いささか翻訳が遅きに失した感がなきにしもあらず。ペンギンブックスの評伝シリーズの一冊、ピーター・ゲイの『モーツァルト』こそ、一九六〇年代後半から七〇年代にかけて欧米で台頭した「知の組み換え」的文化研究のはしりとして、当時、文学部生で、学生オーケストラでヴィオラを弾いていた私を夢中にさせた一冊である。　『ワイマール文化』で高名なこの歴…