読書　ブティック
週刊ダイヤモンド　2001.12.8号　2001.12.8

読書　ブティックやせても枯れても……文庫　文芸評論家●岡崎武志　長い俳優生活のなかで出会った人たちへの思いを、絶妙の語り口で回想する『品格と色気と哀愁と』には、粋な男と女たちが登場する。　借金に次ぐ借金で火だるまのようになって、なお悠然と札束を切った勝新太郎。森繁の「杉が欲しい」の言葉に、どしゃぶりの雨の日、京都からわざわざ二本の杉を運ばせた。その後、会うたびに「杉は元気か、おれの杉は元気か？」と…