読書　ブティック
週刊ダイヤモンド　2000.5.20号　2000.5.20

読書　ブティック映画を語る映画　文芸評論家●能本功生　映画を語る行為は、それを語る当人たちには快楽であり、かつ、抑制と逸脱のコントロールが必要となる。ある映画なり映画作家の本質を、ばっさりと裁断する批評精神が欠けていれば、それはたんに映画フリークの好事家的ディレッタンティズムでしかない。故・淀川長治の「語り」（『おしゃべり映画館』全４巻）は、その意味でもっとも刺激的な映画対話集であり、今でも評者の…