ニッポンの「食」〜秘すれば花、を受け継ぐ郷土料理
日経エコロジー　第80号　2006.2.1

この記事の情報
掲載誌	日経エコロジー　第80号（2006.2.1）
ページ数	2ページ　（全2474字）
形式	PDFファイル形式　（64kb）
雑誌掲載位置	106〜107ページ目

文・写真結城登美雄　晩秋の山口県山代地方で郷土料理のひとつ「あんこ寿司」をごちそうになった。いわゆる押し寿司の一種だが、ちょっと変わっているのは、ごぼう、にんじん、切り干し大根などを甘辛く煮た具が、表にのせるのではなく酢飯の中にうまっていること。土地の人に聞けば、かつての農家は米を作ってもそれを十分に食べられたわけではなく、「せめて祝い事の時ぐらいはたらふく」と出来た寿司なのだが、それでも米を節約…